これに対してTOCでは個々のタスクに振り分けられた安全余裕を1カ所に集め、時間的なバッファとして有効に使うことを考えるのです。不確実性に対処するためには時間的な余裕は絶対に必要です。しかし安全余裕を多く取り過ぎれば、開発期間は長くなり、投資を増加させてしまいます。
ではどのような考え方で管理したらよいのでしょうか。
これまで安全余裕は個々のタスクを守るために、すべての資源に「こっそり」織り込まれていました。TOCでは、考え方を変えて全体のアウトプットを決めているボトルネックの前にだけバッファを集中配備します。そしてボトルネックは市場ですから、納期を守るためのバッファ(プロジェクト・バッファ)を開発プロセスの最後に置いてやればよいのです。
実は「安全余裕」は集めて管理すれば小さくできるという特徴があります。バッファの性質を理解するため自動車保険を例に取って考えてみましょう。
* 自動車事故を起こしてしまったときには、1人当たり2000万円の費用負担が発生するとする
* 自動車に乗る人が1万人いるとする
1人1人が、自分の貯金でこれに対処する場合は、2000万円×1万人=2兆円となり、全員合計で2兆円の預金が必要になります。
しかし、自動車保険という仕組みを作れば2兆円ものお金をプールする必要はありません。なぜなら、全員が自動車事故を起こすわけではないからです。このように、いざというときのための安全は、信頼できるところに集めると量的に小さくしても対処できるという特徴があります。
プロマネが本当に管理すべきポイントはどこか(3/3) - @IT MONOist
おそらく、CCPMやTOCを有効に機能させるためには、プロジェクトメンバー、各ステークスホルダ間の信頼関係が大切だと思う。信頼関係がなければ「隠し持っているバッファ」をプロジェクト全体に集めることからいきなり破綻するだろうし。
- posted by shinchi